今回は、コード表記(コードネーム)と構成音について解説します。
特にギタリストの場合は、コードフォームでコードを覚えてしまうため、「構成音についてはあまり気にしない」というケースも多いのですが、その楽曲をきちんと理解するためには。コードの構成音を把握しておくことが必要です。
ギタリストあるあるですね。
これはそれほど難しいことではなく、コード表記(コードネーム)を見れば構成音がわかるようになっているので、きっちり覚えてしまいましょう。
そして、構成音がわかれば、そのサウンドをイメージしやすくなります。
ここでも「音程」の理解が重要になるので、前回の記事をまだ読んでいない方は、ぜひ【音程編】を先にご覧ください。
コード表記(コードネーム)
コードの表記方法は、完全に統一されているわけではないので、その譜面によってバラバラだったりするのですが、基本を押さえておけば問題なく対応できます。
今回は4声のコードを中心に解説します。
コード表記の仕組みは、以下のようになっているんです。
- R(ルート):アルファベットで表記されます。Cがドで、以下、D(レ)、E(ミ)、F(ファ)、G(ソ)、A(ラ)、B(シ)、となります。
- 3rd:マイナー表記があれば短3度(m3)、なければ長3度(M3)です。
- 5th:通常は完全5度(P5)で、表記はされません。変化する場合は、(♭5)・(♯5)というように、かっこの中に表記します。
- 7th:メジャー表記があれば長7度(M7)、なければ短7度(m7)です。7th表記そのものがない場合は、3声のコード(トライアド)になります。
- 6th:長6度(M6)のみが使われ、メジャー表記もマイナー表記もありません。
- テンションノート:(9)・(11)・(13)というように、かっこ内に表記されることが多いです。
メジャー・マイナーの表記について、よく使われるものを例示します。
- メジャー表記:M、Maj、△
- マイナー表記:m、min、−
ここで少しややこしいのは、普段何気なくCM7、Cm7などと使っていますが、CM7のM(メジャー)は7thのことをいっており、Cm7のm(マイナー)は3rdのことをいっている、いうことです。
例えば、マイナー、メジャー両方の表記がないC7では、7thは短7度(m7)、3rdは長3度(M3)になります。
反対に、CmM7コードには短3度(m3)と長7度(M7)が含まれており、マイナー、メジャー両方の表記があります。
コードタイプ別に使用可能なテンションをまとめると、次のようになります。
- メジャー7th:9th、13th(場合によって♯11th)
- マイナー7th:9th、11th(メジャーキーのⅢm7、マイナーキーのⅤm7では9thは原則使用しない)
- マイナー7th(♭5):11th、♭13th(場合によって9th)
- ナチュラル系ドミナント7th:9th、13th(場合によって♯11th)
- オルタード系ドミナント7th:♭9th、♯9th、♯11th、♭13th
Ⅲm7、Ⅴm7といったディグリーネームの表記については、次回以降のダイアトニックコードのところで改めて解説します。
ドミナント7thコードのテンションは、マイナーキーではオルタード系が使われ、メジャーキーではナチュラル系とオルタード系の両方が使われます。
より強い終止感が得られるのは、オルタード系です。
具体的な構成音
それでは、実際のコードネームを見ながら、構成音を考えてみましょう。
左側にコードネーム、右側に構成音とかっこ内に音程を示しておきます。
CM7:R=C、3rd=E(M3)、5th=G(P5)、7th=B(M7)
A♭M7(9):R=A♭、3rd=C(M3)、5th=E♭(P5)、7th=G(M7)、9th=B♭
Fm7:R=F、3rd=A♭(m3)、5th=C(P5)、7th=E♭(m7)
Bm7(11):R=B、3rd=D(m3)、5th=F♯(P5)、7th=A(m7)、11th=E
A7:R=A、3rd=C♯(M3)、5th=E(P5)、7th=G(m7)
E♭7(♭13):R=E♭、3rd=G(M3)、5th=B♭(P5)、7th=D♭(m7)、♭13th=♮B
Gm7(♭5):R=G、3rd=B♭(m3)、5th=D♭(dim5)、7th=F(m7)
DmM7:R=D、3rd=F(m3)、5th=A(P5)、7th=C♯(M7)
E6:R=E、3rd=G♯(M3)、5th=B(P5)、7th=C♯(M6)
あくまで一例ですが、コードネームと構成音の関係はこのような感じになります。
まとめ
コードの仕組みについて解説しました。
コードの構成音がわかると、楽曲の仕組みがよく見えるようになります。
ぜひ、前回の「音程」をもう一度復習して、今回の内容と合わせて理解を深めてください。
音程と同様に、コードネームを見ただけで構成音がスラスラと言えるようになれば、最高です。
次回もお楽しみに。