作曲の技法は色々とあるので、どれを使えば良いか迷ってしまうことはありませんか?
自分に合った、得意な方法を見つけるのが一番ですが、それ以外にもできるだけ多くの手法を身につけて、その時々で使い分けられるようにした方が絶対に有利です。
そんなわけで、今回はGroove Agentというプラグインを使って、フレーズサンプリングを多用したコラージュ作品に挑戦してみたいと思います。
感覚勝負の部分が多く、理屈で説明するのは難しいのですが、実際に作業を進めながら解説するので、参考にしていただけたら幸いです。
前回の作曲の記事でも説明した、「決めやすいところから決めていく」という考え方は、どんな技法を使っても僕の中では基本の中の基本となっています。
Groove Agentについて
作曲の作業に入る前に、今回メインで使用したプラグインについて、簡単に説明しておきます。
Steinberg社のGroove Agentは、約30GBのサンプルとMIDIデータを含むドラム音源で、アコースティック系はもちろんのこと、エレクトロニック系ドラムやエスニックパーカッションなど幅広い音色をカバーしています。
さらに、パッドサンプラーのようなインターフェイスで直感的に使いやすく、今回のようにフレーズサンプリングで作曲する場合にも最適です。
この使い勝手の良さが、購入の決め手となりました。
お値段的にもリーズナブルで、使い道も幅広いので、持っていて損はないプラグインだと思います。
イメージをつくる
今回も、イメージをつくるところから始めます。
思い浮かんだのが、「なぜだか理由はわからないが、全てがうまくいく1日」というものです。
その様子がスクリーンに映し出されて、自分はそれを冷静に客観的に観ている、という光景を想像しました。
これだけ聞いても、何の事だかさっぱり訳がわからないかもしれませんが、僕の中では、しっかりと映像が見えています。
曲自体がちょっと抽象的な方向に行きそうな気がしたので、イメージも若干シュールな雰囲気です。
全体的にクールな雰囲気が漂っていれば良いかな、と思いました。
いろいろと妄想していると、ワクワクしてきます。
基本パターンをつくる
基本パターンをつくるための、サンプリング素材を選択していきます。
まず、BPM=122に設定しました。
次に、シンセの音色で、「シークエンス系の面白いものがないかな?」と、Logic付属のAlchemyという音源のライブラリーを物色していたら、イメージにぴったりのものが見つかりました。
これは、1音長押ししているだけで、このようなアルペジオのパターンが生成されます。
もう一つ、これもLogic付属のループ集から、オルガンのリフを選びました。
Logic付属の音源って、優秀ですよね。
このふたつをGroove Agentに取り込みます。
オーディオファイルをパッドにドラッグ&ドロップするだけなので、とても簡単です。
サンプルを同時に再生すると、このようになります。
とても良い感じです。
これだけで一曲できてしまいそうな予感がします。
ドラムも、Logicのループからふたつ選んで仕込みました。
と
です。
ほとんど同じパターンですが、バリエーションをつけるためには必要です。
ショット毎にスライスしたものも、別につくっておきます。
このスライスの作業も、Groove Agentで自動でできるので、手間が掛かりません。
後々、何かちょっと足したいと思った時に重宝しそうです。
ベースは、打ち込んだものをサンプリングして、2種類用意しました。
割と通常のパターン
と、サブベースのような思いっきりフィルターを効かせたパターンです。
これらは、別々に使うところと、同時に使うところがあります。
これらを組み合わせて、アクセントのシンセを加え、基本パターンが出来上がりました。
通して聴いてみると、こんな感じになります。
なかなかタイトで、クールなイメージになったと思います。
まとめ
イメージづくりと、基本パターンまで、作曲の作業を進めてみました。
僕は普段からあまり難しく考えすぎないようにしているのですが、特にコラージュ作品では、とにかく思いついたままやってみて、「何かピンとくるものがあったら採用する」というスタンスで良いと思っています。
最初のうちはスムーズに作業を進めることは難しいかもしれませんが、慣れると次第にスラスラと勝手に手が動くようになります。
焦る必要は全くないので、じっくり落ち着いて、楽しんで取り組むのが良いと思います。
次回もお楽しみに。