前回の楽曲制作で、トラック数が増えてミックス作業が大変になってしまった反省を踏まえて、今回はできるだけシンプルに曲をつくってみようと思います。
DTMで作業していると、つい、あれもこれもと入れたくなってしまうんですよね。
その辺をきっちり整理して、すっきりと簡潔な曲を目指していきます。
作曲プロセスの考え方は前回までと同様で、
- 先にイメージをしっかりつくる
- 決めやすいところから決めていく
です。
以前の作曲過程を解説した、こちらの記事も参考にしてください。(Voices、A Perfect Day)
イメージをつくる
先日、家の古いアルバムを見ながら、自分の幼少期について思い返してみました。
一番古い記憶は、まだ幼稚園に通う前に、両親に初めて海に連れていってもらった時のものです。
細かいことは覚えていませんが、海水のしょっぱさや、目に染みる感じが感覚として残っています。
それ以外では、近所の神社に探検に行ったり、市場の駄菓子屋に通ったりするのが日常だったような気がします。
ごく普通の、好奇心旺盛で元気に遊びまわる子供という印象ですが、「なんだかんだで、きっと良いヤツだったに違いない」と勝手に想像を巡らせて、これをモチーフに一曲つくってみようと思います。
幸せな子供時代を過ごせたと思います。
基本パターンをつくる
まず、bpm=116に設定しました。
軽めのダンスビートといったところでしょうか。
次に、メインとなる音色をいろいろと物色して、KORG CollectionのTRITONのパッチから、Organ Hitを選びました。
アナログレコードのようなノイズが入っていて、ちょっとノスタルジックな気分になれます。
ループさせながら遊んでいるうちに、こんなフレーズが出来上がりました。
当初は単なるリフとして考えていたのですが、メインのメロディーの役割を持たせることにしました。
これにベースを加えると、ポリリズム風の遊び心のあるフレーズになりました。
このベースの音も、TRITONのパッチです。
Logicのライブラリーの中から2 Stepのドラムループを選択して、基本パターンの完成です。
とてもシンプルにいけました。
このドラムループは、Groove Agentに取り込んで、スライスしたり、フィルターをかけたりしてバリエーションを増やします。
さらに、繰り返しの部分では、シークエンスの音色を足して、きらびやかな雰囲気にしています。
展開パターンをつくる
基本パターンを継承して展開パターンをつくりました。
少し浮遊感のある、世界観がスライドしたような展開です。
さらに、割とアタックのはっきりしたPadの音をメインとしたフレーズを加えて、場面転換させていきました。
ここまでで、この曲の芯となる部分はできたと思います。
通して聴くと、こんな感じです。
展開もスムーズで、ここまで順調です。
構成を考える
基本パターンに一旦戻った後、SE色の強いPadのパートをつくりました。
これはWavestate Nativeのパッチです。
この音源は、ハードで発売された時から注目していました。
「よくこんなものをつくったなぁ」と、メーカーの執念のようなものを感じます。
おそらく、ユーザーでここまでの機能を要求する人はいないでしょうから。
とにかくめちゃくちゃ奥が深いので、真剣にいじりだすと、簡単に睡眠不足に陥るでしょう。
このパートには、ギターを入れる隙間を、かなり残してあります。
ギターパートをどうするかは、後でゆっくり考えます。
その後に、基本パターンを展開させて、別メロディーのパターンをもう一つ加えました。
今度はしっかりと腰を落として、地に足がついた雰囲気です。
ここまでで3分ほどの尺になったので、うまくまとめていく事を考えていきます。
テーマに戻る前に、一旦Padでマイナーの方向に振ってみました。
基本パターン + 展開パターン1 + 基本パターンという構成で再度テーマを登場させます。
ここで、もう一度SE風のPadを使って場面転換です。
少し長めのブリッジといった感じでしょうか。
最後のテーマは、基本パターン + 展開パターン2 + 基本パターンという構成です。
安定感を感じる進行になっていると思います。
これで曲の本体部分の大枠は出来上がりました。
きれいにまとまったのではないでしょうか?
Introは4小節と短めで、ドラムループをスライスしたものを組み合わせてつくっています。
最後のOutroでは、Gのトライアドからsus4という、逆進行のようなPadサウンドで締めくくりました。
ちょっとクラシカルな雰囲気ですね。
全体を通して聴いてみます。
ギターを録音して、さらに良くなることを期待します。
まとめ
駆け足で、今回の作曲過程を振り返ってみました。
トラック数も少なめで、かなりシンプルにいけたのではないかと満足しています。
音源制作にあたっては、KORGのソフトシンセが大活躍しました。
KORG Collectionには、ARP ODYSSEYやProphecyなど、興味深いものがまだまだたくさん含まれているので、追々試していきたいと思います。
録音などのスケジュールは未定なので、仕上がりがいつになるかわからないのですが、完成したらまたお知らせします。
次回もお楽しみに。