【はじめまして】「音楽理論との向き合い方」について語ります

作曲・音楽理論

はじめまして。

音楽家のCnZ(シンジ)です。

このたび、ブログを開設することになりました。

皆様、よろしくお願いいたします。

僕は、若かりし頃に、ギタリストになることを夢見て音楽学校に通い、基礎コースとアドバンスドコースの、合計4年間も居座ってみっちり勉強しました。

その後、結局ギタリストとしては挫折したのですが、作曲家として活動を続けることができ、現在に至っています。

実際のお仕事としては、TVCMや各種制作物、イベントなどの映像BGMを多く作ってきました。

また、2000年からは、「mode complex」というソロユニットを立ち上げて、細々と活動しています。

それなりに積み上げてきたものがあるので、ライフワークとして、少しずつ発表していくつもりです。

今回は、「音楽理論を勉強する意味がわからない」とか、「音楽理論の勉強の仕方がわからない」と悩んでいる人のために、「音楽理論との向き合い方」について書いてみたいと思います。

全くの私見ですので、気に入らない方は遠慮なくスルーしてください。

CnZ
CnZ

あくまでひとつの意見として、

寛大に受け止めていただけたら嬉しいです。

音楽理論は絶対法則ではない

よく、「音楽理論を勉強すると、それに縛られてしまう」という声を耳にします。

以前は自由にやれていたのに、音楽理論を知ってしまうと、「その通りにやらなければいけない」と思ってしまい、窮屈になるのですね。

でも、そもそも音楽理論って何でしょうか?

日本語で「音楽理論」と書くと、とても厳格なルールのように思ってしまいますが、英語だと「Theory」で、僕はむしろ「定石」に近いイメージを持っています。

例えて言うなら、料理のレシピ本のような感じでしょうか?

料理が上手な人ほど、その人なりのアレンジを加えたり、工程を工夫したりして、レシピ本に頼らずに美味しい料理を作れますよね?

CnZ
CnZ

僕はリュウジさんの動画をよく観ますが、実際に料理をつくる時は、ほとんど目分量です。

つまり、「こういう時は普通こうするよね」という程度のニュアンスで受け止めて、それ以外の答えも必ずあるはずだ、と思って僕は取り組んでいます。

もちろん、最初のうちは理論に従っていた方がまとまったものを作りやすいのですが、あくまで絶対法則ではないので、「守破離」という言葉を頭の片隅で意識しておくと良いでしょう。

人間の感覚に錯覚はつきもの

音楽は、主に聴覚によって鑑賞されます。

人間の感覚に依存している以上、当然そこには錯覚が起こる可能性があります。

CnZ
CnZ

目の錯覚を利用したトリックは、たくさんありますよね。

僕がそこまで音楽理論を絶対視していない理由の一つが、これです。

ここで、ちょっとした実験をしてみたいと思います。

例えば、「コードがCM7でアドリブを弾く」という状況で、G♭△を使うのはかなり難しいです。

どう考えても外れた音にしか聴こえません。

でも、G△と併用すると、意外と使えてしまいます。

外れた感覚がずいぶん緩和されて、むしろかっこよく聴こえたりするのではないでしょうか?

また、Fの音はCM7でアヴォイドノートに指定されていますが、高く離れた音域で弱く弾くと、結構綺麗に響きます。

いかがですか?

僕は、音楽はこういうものだと思っています。

ですので、単純に「この音はアヴォイドノートだから使ってはいけない」というような解説や指導には、異議を唱えたくなります。

アヴォイドノート(avoid note = 避けるべき音)という名称を、コーションノート(caution note = 注意するべき音)に変えて欲しいと思っているぐらいです。

音楽理論の活用法

ここまで読んで、「やっぱり音楽理論を勉強する意味なんて、無いんじゃないか?」と思った方も多いかと思います。

僕は、「それでも音楽理論は役に立つし、勉強するべきだ」と考えています。

なぜなら、音楽理論が役に立つ場面が確実にあるからです。

それは、

  • 行き詰まった時
  • 発想を展開させたい時

で、有効だと考えています。

「発想を展開させたい時」というのは、「いつもとは違うパターンでやってみたい時」を指します。

このような場面で音楽理論を知っていると、新たな選択肢を瞬時にいくつか思い浮かべることができるのです。

これは、大きなアドバンテージだと思いませんか?

実際のお仕事の現場では、「ちょっと違うパターンでやってみて」という要求は日常茶飯事ですし、それに即座に答えられないと、「失格」の烙印を押されてしまいます。

CnZ
CnZ

理論を知っていると、気持ちの上でも余裕が生まれます。

お仕事以外でも、コンスタントに作曲をしたり、演奏の引き出しを増やしたりするためにとても役に立つので、ぜひとも音楽理論は勉強するべきです。

もちろん、調子が良くて、感覚だけでやれているような時は、音楽理論のことは考える必要はありません。

僕も普段はほとんど音楽理論のことは考えずに、やれる所までやってみます。

そして、ちょっと立ち止まって考えるときに、音楽理論を引っ張り出してくる感じです。

立ち止まらずに、そのまま最後まで行ってしまうケースも、数多くあります。

このように、一種の保険として考えれば、最初に述べたような「音楽理論を勉強すると、それに縛られてしまう」というデメリットは消えてしまうと思っています。

まとめ

「音楽理論とどうやって向き合えばよいか?」ということについて、自分なりの考えを述べてみました。

まとめると、

  • 音楽理論はあくまで「定石」であって、「絶対法則」ではない
  • それでも困った時には役に立つので、音楽理論は勉強しておくべき

ということになります。

かなり個人的な意見だとは思いますが、25年以上のキャリアから導き出されたものなので、それほど的外れではないと思っています。

少しでも参考にしていただけたら、幸いです。

CnZ
CnZ

次回もお楽しみに。