特別なひらめきが無くても着実に作曲する方法【その②基本パターン】

作曲・音楽理論

前回、作曲の準備段階とも言えるイメージづくりについて解説しました。

今回は、そのイメージをどうやって音楽で表現するのか、というプロセスに入ります。(前回の記事をまだ読んでいない方は、こちらからどうぞ。)

具体的に言うと、どのようにアイデアを導き出して、どのように音符に置き換えていくのか、を考えながら作業を進めていくということです。

前回にも少し触れましたが、「決めやすいところから決めていく」ことが重要なポイントとなります。

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「なんだそんなことか」と思うかもしれませんが、これが本当に大事なんです。

いきなり素晴らしいメロディーを、最初から最後まで一気に思いつくことは、不可能に近いといって良いでしょう。

断片的なモチーフから、いかに芋づる式に新しいアイデアを導き出すかが大切で、そのためのテクニックなどを紹介していきたいと思います。

基本パターンをつくる

基本パターンのつくり方を、普段やっているスタンダードな方法と、今回の曲で実践した方法に分けて解説します。

1)通常の基本パターンのつくり方

僕が作曲の作業に入る時には、リズムから決めていくことが非常に多いです。

テンポとリズムパターンが決まれば、その曲の大まかな方向性がはっきりします。

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他に全くアイデアが湧かなくても、テンポは決めやすいと思います。

この時点で具体的なモチーフが少しでも浮かんでいる場合には、それもDAWに打ち込んでしまいます。

次に、前回解説したイメージを表現するために、どのような音色がメインになるかを考えます。

シンセの場合は、大雑把なカテゴリーから入って、その中のプリセットプログラムを選ぶようにすると良いでしょう。

細かい音色エディットなどは、まだまだ後の話です。

この、音色を先に決めるというプロセスは、アイデアを引き出すうえでとても大事だと考えています。

DAWにトラックをつくって、シークエンスをループさせながら何かしら音を出していると、ただじっと座って考えているよりも、はるかにフレーズが浮かびやすくなります。

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無心になるのが、ひとつのコツかもしれません。

そして、何か浮かんだらすかさずDAWに打ち込んでいきましょう。

ある程度メインのパートの形が見えてきたら、その次にどんな音色を足せば良いかを考えます。

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楽器の順番にこだわらず、「必要な音」を探しましょう。

そして、同様の手順でフレーズを思いついたところからはめ込んでいく感じです。

ここでのフレーズはあくまでも仮で、完璧を目指す必要はありません。

どうしても良いアイデアが浮かばない場合は、いくつか選択肢を用意した中からベターなものに一旦仮決めして、先に進むこともよくあります。

作業を進めていくうちに、もっと良いフレーズが浮かぶことは頻繁にあるので、その時に差し替えれば良いのです。

このプロセスを何度か繰り返せば、基本パターンの原型が出来上がります。

この基本パターンは、曲のどの部分で使われるかは、最初の段階で決める必要はありませんが、とにかくこれをベースに発展させて、作業を進めていきます。

2)今回実践した基本パターンのつくり方

今回は、先に

というフレーズを思いついていたので、テンポだけ先に決めてDAWに打ち込みました。

BPM=84、音色はPadPianoです。

このフレーズは、何度も繰り返して使うことを最初から想定しています。

まず、KickとHHとBass、それにPadを加えたシンプルな8小節のパターンを2回繰り返して曲の冒頭部分としました。

さらに、Drumの音数を増やして、木管楽器のようなシンセのリフを足した8小節パターンを2回繰り返して続けました。

以上の手順で、最初のPadPianoのモチーフから、割とすんなり基本パターンを作ることができました。

ここまでで、時間にして約1分30秒です。

なんとなく今回の曲の骨格が、見えてきたのではないでしょうか?

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ここまでできると、気分も乗ってきて、作業のスピードが一気に加速します。

まとめ

基本パターンのつくりかたについて、解説しました。

  • まずテンポとリズムパターンを決めてしまう
  • 音色を先に決めてからフレーズを考える

と言うのが、アイデアを導き出すうえで重要な流れとなります。

理論的なことには全く触れていませんが、理論的なことを考えてつくっていないので、仕方がありません。

とりあえずDAWに打ち込んでみて、しっくりいくか、違和感を感じるか、が判断のポイントとなります。

「この方法が絶対に正しい」などと言うつもりは少しも無いのですが、一つの方法として、「こんなやり方もあるんだな」と思って頂けたら幸いです。

次回は、展開のパターンと構成についてお話します。

それで、ほぼ「1曲完成!」に近い所までもっていけると思います。

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次回もお楽しみに。