インパクトのある作品をつくるために参考になりそうな楽曲5選【その③サウンド革命】

雑談・日常

今回は、作曲する際のアレンジや録音技術など、そのサウンドに焦点を当てて、参考になりそうな曲をピックアップしていきたいと思います。

今では、みんなが当たり前のようにやっていることでも、「その時代では画期的なことだった」ということは、たくさんあります。

そんな、偉大なミュージシャンたちが残した音楽の発展の足跡を、少し辿ってみることにしましょう。

1. Video Killed The Radio Star / The Buggles

The Bugglesは、1977年にTrevor Horn、Geoff DownesBruce Woolleyの3人で結成された英国のバンドです。

映画音楽で有名なHans Zimmerも非公式に参加していた、という情報があります。

この曲は1979年に発表され、全英1位に輝いたデビュー曲で、Bruce Woolleyはこの時すでに脱退していました。

当時の状況を振り返ってみると、KraftwerkやYMOといったテクノグループは存在していたものの、まだまだギターによるバンドサウンドが世の中の主流で、「シンセサイザー=珍しいもの」といった位置付けでした。

ところがこの曲の出現によって、シンセサウンドが一気にヒットチャートの主役に躍り出たのです。

今改めて聴いてみると、「そこまで大々的にシンセをフィーチャーしている印象は無い」のですが、それでもこの曲が音楽界全体に与えたインパクトはとてつもなく大きく、1980年代のエレクトロニックポップ・ムーブメントの火付け役となったのは間違いありません。

また、アルバム全体を通して聴いてみると、斬新なサウンドを導入しつつも、メロディーラインが妙にオールディーズ風でキャッチーな曲もあったりして、Trevor Hornのプロデューサーとしての抜け目のなさを感じます。

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Trevor Hornのプロデューサーとしての活躍は素晴らしいですよね。大ヒット曲となったYesの「Owner Of A Lonely Heart」や、Mr.マリックの「あの曲」は、みなさんよくご存じかと思います。

その後、1981年に「Adventures In Modern Recording」というアルバムを発表するのですが、これはまさに彼らの音楽に対する姿勢を表していますね。

2. Perfect Way / Scritti Politti

The Bugglesのセンセーショナルな登場から数年経った1985年に発表されたこの曲は、チャートの最高位が全英48位、全米11位と、意外にもそこまでの大ヒットというわけではなかったようです。

Green Gartsideを中心としたユニットであるScritti Polittiも、デビューは1977年とThe Bugglesと同世代で、当初はアコースティックサウンドが中心でしたが、本作ではデジタルシンセやシークエンサーを積極的に導入して、よりハイファイで複雑なサウンドを構築しています。

この頃は機材の発達のスピードが凄まじく、音楽の制作環境の進化が、制作手法の発展・多様化を産み出していました。

その特徴は、音数がやたらと多く(当時としては)、しかしながらすっきりと整理されていて、決してごちゃごちゃとした印象を与えないものでした。

現在ではスタンダードとなっている、打ち込みアレンジの礎を築いたといっても良いでしょう。

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1999年発表の「Anomie&Bonhomie」を聴いてみると、またバンドサウンドに回帰したような印象を受けます。

ちなみにこの曲は、あのジャズの帝王Miles Davisがカバーしたことでも話題になりましたね。

Milesは、このバンドをとても気に入って、のちに「Oh Patti」という曲にゲスト参加しています。

3. Some Like It Hot / The Power Station

The Power Stationは、Duran DuranのメンバーだったJohn TaylorとAndy Taylor「ソウルとハードロックの融合」というコンセプトで1984年に結成したバンドです。

ドラムにChicのTony Thompson、ボーカルはRobert Palmerと、超豪華なメンバーを揃えました。

バンド名はレコーディングで使用したスタジオから拝借した、というのは有名な話ですね。

この曲は、1985年に発表された最初のシングル曲になります。

冒頭の派手なドラムのエフェクト処理に始まって、ワイルドなギター、ソウルフルなブラスセクションなど、カッコイイこと尽くめです。

僕は、この曲がきっかけで録音技術に興味を持つようになりました。

実はこのレコーディングに使用されたスタジオは、「それほど設備が充実しているというわけではないが、ハウスエンジニアが非常に優秀で、スタジオの特性を熟知しているので、素晴らしいサウンドで録音できる」、という記事を何かで見た記憶があります。

「何事も工夫次第なんだな」と、それ以来思いついたことは、自分でもあれこれと試してみるようにしています。

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DAWを使えば、簡単に試行錯誤ができて楽しいです。

4. Let’s Dance / David Bowie

1983年に、Nile Rodgersと共同プロデュースで発表された同名のアルバムの、最初のシングルカット曲です。

全英・全米でチャート1位を獲得するなど、大ヒット曲となりました。

この曲の凄さは、「一歩間違えばものすごくダサくなってしまうアレンジを、とてもお洒落に、カッコよく聴かせている」ところにあります。

特にベースラインは、「もし自分だったら、採用するのにとても勇気がいるんじゃないかな」と、思ってしまうようなきわどさです。

まさに「マジック」ですね。

また、このアルバムには、当時まだ無名だったブルースギタリストのStevie Ray Vaughanが起用されており、絶妙な「ミスマッチの面白さ」を演出しています。

これも、見事なプロデュース・ワークと言えるでしょう。

この辺のアイデアは、いくら理屈で考えても、永遠に答えは出ないと思います。

「とにかく場数をたくさん踏んで、自分の中に引き出しをできるだけ数多く用意しておくことが唯一の対処法」というのが、僕の持論です。

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「ミスマッチ」は、うまくハマると最高に面白いですが、本当に難しいです。

5. Heaven’s Kitchen / BONNIE PINK (Tore Johansson)

今回も、JPOPから1曲ピックアップしてみようと思い、1994年に発売されたこの曲を選びました。

とは言っても、ここで注目したいのは、プロデューサーのTore Johanssonです。

The Cardigansを手がけたことで有名で、特に1996年の発表されて大ヒット曲となった「Love Fool」は日本でもご存じの方が多いでしょう。

原田知世さん、カジヒデキさん、レミオロメンといった日本人アーティストも、彼のプロデュースで作品を発表しています。

その特徴は何と言っても「ローファイサウンド」です。

「Heaven’s Kitchen」も例外ではなく、全体のレンジは狭いし、ボーカルもよく聴くと歪んでいたりします。

でも、それがカッコいいのです。

このようなサウンドメイキングは、常識にとらわれていては絶対にできません。

あくなき好奇心が産んだ賜物ではないでしょうか。

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ここでも「試行錯誤」がキーワードになりそうです。

ちなみにこの曲は、BONNIE PINKさんがアマチュア時代につくった最初の曲だそうで、

それがなんと30万枚を超えるヒット曲となりました。

いきなりこんな曲がつくれてしまうなんて、本当にすごいですね。

まとめ

今回も、かなり古い曲ばかりになってしまいました。

僕と同世代の人にとっては懐かしく、また、若い人にとっては新鮮に感じるかもしれません。

たまには、こうして音楽の歴史を振り返ってみるのも、新しいアイデアの発見に役に立つと、信じています。

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次回もお楽しみに。