前回に引き続き、コラージュ作品をつくっていきます。(前回の記事はこちらからご覧いただけます。)
この方法は作業していてもとても楽しいので、あれこれと試してみたくなりますが、詰め込みすぎて散らかった印象にならないように注意したいところです。
客観性をキープすることが大切です。
前回は基本パターンをつくったので、これを展開させて曲の構成をつくり、完成形に近づけます。
とにかく難しいことは考えずに、感覚勝負で面白いものがつくれたら良いな、と思います。
展開パターンをつくる
1)基本パターンを継承した展開
基本パターンを土台にして、そこにシンセパッドの音を加えて展開をつけていきます。
シンセパッドは3種類サンプリングしました。
それ以外の音が必要になったら、トランスポーズして使い回します。
ベースも、別パターンをひとつつくって変化をつけました。
基本パターンのフレーズと組み合わせて使います。
出来上がった展開パターンは、このようになります。
基本パターンの流れを受け継ぎつつ、一歩踏み込んだ感じです。
2)展開パターンの上にメロディーパート
今回は、このタイミングでメロディーを思いつきました。
展開パターンの上に乗せていきます。
音色はプラック系で、オクターブ上の音を重ねています。
ここまで、基本パートと展開パート、メロディーパートを合わせて、約1分35秒です。
この3つのパートを骨組みとして中心に据えれば、うまくいきそうです。
大枠が見えてきました。
3)サンプルの組み替えでつくるブリッジパート
すでにサンプリング済みの素材を組み替えて、ブリッジパートをつくります。
リズムには、ループをスライスした素材を活用しました。
同じ素材でも、鳴らす順番を変えれば、全く違う印象のパターンをつくることができます。
この辺は、コラージュミュージックの醍醐味と言えるでしょう。
短いパートですが、この部分の作業は本当に楽しくて、やり出したら止まりません。
4)ギターを重ねることを想定したバンプ
後でギターを重ねることを想定して、シンプルなバンプを用意しました。
具体的なギターのフレーズについては、この時点ではノープランです。
テーマのメロディーに戻るための、ちょっと落ち着かせる感じのパートを加えます。
リズムパートは、ループとスライスした素材の両方を使っています。
以上で、必要なパートはほぼ出揃ったと判断したので、全体の構成を考えていきます。
構成を考える
ちょっと遡って、メロディーパートとブリッジパートの間に展開パターンをもう1回はめ込み、そこに別の厚みのあるシンセパッドと、パーカッションを打ち込みで加えました。
ちょっとドラマチックな雰囲気になったのではないでしょうか?
構成を考えながら、付け足したいパートが出てきたら、加えていきます。
気持ちをフラットにして聴き返すと、必要なものや、不要なものが見えてきます。
バンプに続いてメロディーパートが再度登場するのですが、ここでも先程の厚めのシンセパッドを加えて、ちょっとゴージャスな印象にしています。
トップノートが、カウンターメロディーの役割をするように工夫しています。
メロディーの後半部分を繰り返して、その後シンセパッドの流れを活かしたフレーズを付け足しました。
最後に、ブリッジパートを2回繰り返してOutroに突入し、Endingを迎えます。
構成に関して言えば、必要なものだけを加えていき、必要ないと感じたものは容赦なく削るのがポイントです。
特に削る作業は、大胆にやって良いと思います。
時間の経過も考慮して、うまく抑揚がつけられれば、成功でしょう。
1曲通して聴くと、こんな感じになります。
今回も、Mixなどの処理は行なっていないので、その辺はご了承ください。
まとめ
以上のような流れで、コラージュ作品を作曲してみました。
展開のパートは、新しいパターンをつくるというよりも、最初にサンプリングした素材を組み直してバリエーションをつけていく感じで、パズルをやっているようでした。
全体的に、うまく構成できたのではないか、と思っています。
今回も、ギターパートは手付かずの状態なのですが、本当に録音の当日までノープランですし、いざ録音を始めるとメモを取りながら作業をする余裕もないので、記事はここまでとさせてください。
毎回この時点でギターパートのアイデアが全く浮かばないのは、頭が痛いところでもあり、また、楽しみでもあります。
全て完成したら、お知らせします。
次回もお楽しみに。